ソーシャルレンディングの危険性をとことんまで解剖。

ソーシャルレンディングの危険性の【アウトライン】を知る

いの一番にソーシャルレンディングの危険性の全体の構図をインプットしておきましょう。
ソーシャルレンディングの危険性との勝負は、さしあたって、敵のアウトラインを知るところからスタートします。

ソーシャルレンディング投資にあたって、我々投資家が気を付けるべき危険性は、
2つに区分すると、主に下記の2つ。

1つ目が、「事業者リスク」と呼ばれる危険性です。
2つ目が、「ファンドリスク」と称される危険性です。
まずは、ひとつひとつの危険性の【全体の構図把握】を済ませておきましょう。

ソーシャルレンディングの危険性その1【事業者リスク】とは

固有の投資案件において、個別具体的にトラブルが発生する、「ファンドリスク」とは格段に異なり、
複数のファンドを組成・提供しているソーシャルレンディング事業者そのものが、関連法規に反し、違法な業務運営を行っている、という場合を示すのが、「事業者リスク」です。
本記事執筆本日に至るまでの間、日本では、残念ですが、複数のソーシャルレンディング事業者が、
運営上の問題点を金融庁から指摘され、最後には、当局から行政処分を受けています。

ソーシャルレンディング業者がいざ行政処分を受けると、
それ以降、当該ソーシャルレンディング業者が新規組成をスケジュールしていた借り換え案件の組成や資金応募が進まない、等のダメージが生じ、
我々ユーザーとしては、当該ソーシャルレンディング業者の投資案件に投資していた場合、その結果、返済遅延や貸し倒れに巻き込まれる傾向が強くなります。

ソーシャルレンディングの危険性その2【ファンドリスク】とは

本記事執筆本日現在、日本国内には20社以上のソーシャルレンディング業者があり、
ひとつひとつのソーシャルレンディング業者が、日々、いくつもの投資案件を組成しています。

もちろん、我々投資家は、各投資案件への投資吟味にあたっては、
各投資案件の実態をきちっと読み取り、確実に、出資是非のジャッジを行うことが求められます。

この出資是非のジャッジメントに、大なり小なり、ミステイクが見つかった場合や、
出資是非の判断そのものにはミステイクは認められないものの、社会的・マクロ的な要因に(多くの場合は、運悪く、)見舞われてしまうことによって、
投資案件が、返済遅延や、最悪の場合、デフォルト・貸し倒れ、というとんでもない目に遭う危険があります。

また、そのような事態までは至らずとも、
満期償還を迎えた投資案件の最後の成績(損益)が、欠損、すなわち、元本割れとなってしまう、という危険性も、あり得ます。

こうした危険性、すなわち、
ソーシャルレンディング企業に問題があるわけではなく、原則的に、各投資案件が元から内在させている危険性が、アクシデントとして現実化してしまう、というタイプの危険性こそが、「ファンドリスク」と呼ばれているものの正体となります。