ソーシャルレンディングとリスク分散

ソーシャルレンディング事業者の分散

ソーシャルレンデイング投資におけるリスク分散を考える時、誰もが最初に思い浮かぶのが、
ソーシャルレンディング事業者の分散でしょう。
ソーシャルレンディングの場合、ソーシャルレンディング事業者に投資用口座を開設する手続きは、極めて簡単です。
どのソーシャルレンディング事業者の場合も、
手続きはインターネットで完結しますし、
投資口座の開設だけであれば、費用も一切かからないことが普通です。
ですから、リスク分散志向が強い人ほど、
どんどん、いろんなソーシャルレンディング事業者に、投資口座の開設を進める傾向があります。

しかし、忘れてはならないのが、
取引をするソーシャルレンディング事業者の数を増やせば、それだけ、
不適切な運営をしているソーシャルレンディング事業者に当たってしまう確率も、大きくなる、ということ。

私がおもうに、事業者分散によってソーシャルレンディング投資のリスクを分散したいのであれば、
あくまでも、信頼することのできる、3社~5社程度のソーシャルレンディング事業者に分散するに留め、
むやみやたらに、たくさんのソーシャルレンディング事業者(例:20社以上)に、資金を分散しすぎるのは、やめたほうが無難ではないか、と、思っています。

ソーシャルレンディングファンドの分散

事業者の分散の次に検討するのが、ファンドの分散でしょう。
ひとつのソーシャルレンディング事業者が、たくさんのファンドを組成しているのが、ソーシャルレンディングの特徴。
いずれのファンドも、だいたい、1万円前後から出資できるものが多いので、
複数のファンドに、資金を小口で分散する、という投資スタイルをとっている方も、少なくないでしょう。
そのこと自体は、私も、悪いことだとは思いませんが、
ファンドを分散するときに気を付けたいのが、
「ファンドの分散は、あくまでも、リスク軽減のための手段であって、
ファンドの分散が、目的となっては、ならない」
ということです。
どういうことか、というと、
ソーシャルレンディング事業者が同一でも、そのソーシャルレンディング事業者が提供しているファンドのリスクなどは、あくまでも、ファンドによって、千差万別です。
リスクヘッジのために、いろんなファンドに資金を分散していたつもりが、
いつの間にか、分散すること自体が目的となってしまい、
本来のリスク判断においては、決して出資すべきでは無かったようなファンド(例:無担保・無保証型ファンド)に、出資をしてしまう、というようでは、
本末転倒です。
この点には、十分な注意が必要です。