ソーシャルレンディング投資に絶対不可欠な担保情報

ソーシャルレンディング投資において、担保についての情報はないがしろにできません。

ソーシャルレンディング出資において、我々投資家が、自己責任で、是が非でもしっかりと閲覧することが重要であるのが、
各投資案件の、アウトライン・危険性などのディテールインフォメーションです。

そして、各投資案件に関する詳しいポイント情報を精読しておくにおいて、遠ざけては通れないのが、
「担保」についての解説文です。

「借入人である不動産事業者Aが所有する東京都港区の不動産について、抵当権を登記します」
「本投資案件からお金を借りる会社Bの借り入れ金については、大手企業Cが保証します」
「企業Dが東京都葛飾区に保持する地上6階建てのアパート1棟において、極度額7億円の根抵当権を設定します」
等々、
各投資案件についての細部情報をきっちりと読み込んでいると、
必ずといっていいほど、「担保」に関する解説文が表れてくるのです。

こういった解説文1つずつが、具体的にいうといかような保安性・危険性を意味しているのか、
我々投資家は、己自身にて学習し、
その危険性・安全性について、ちゃんとチェックをしたうえで、
その投資案件への出資の良し悪しについて、自己責任において、ジャッジをしなければなりません。

※その反対に、担保についての具体的インフォメーションが見当たらない投資案件、すなわち、無担保・無保証案件については、
万が一にも、債務者(ファンドからお金を借りる会社)からソーシャルレンディング業者への支払いが滞った場合、
お金の貸し手たるソーシャルレンディング業者としては、どういうふうに債権(貸付金)の引き上げにチャレンジするのか。その際の困難性とは、具体的にいかような内容なのか。
私たち投資家は、それについても、最低限度のチェックをしておくことが大切だと考えます。

本記事では、先述したように、
ソーシャルレンディング投資にチャレンジするにあたり、避けては通れない「担保」の話題に関しまして、
我々投資家が最低限、認識しておくべきレベルに絞ったうえで、
私なりに、応急的に提示をさせていただきます。

無担保・無保証タイプのソーシャルレンディング案件の危険性

「どの投資案件に投資しようかな」と、
各ソーシャルレンディング業者の投資案件リストを物色していると、
担保も、保証も、一切考慮されていない投資案件、よく見ることがありますよね。

まず、誤った認識がないようにしておかなければいけないのが、
無担保・無保証タイプのソーシャルレンディング案件の場合でも、
債務者(資金の借り手)からの支払いが遅延したケースでは、
債権者(ソーシャルレンディング事業者)は、債務者との間の金銭消費貸借契約(=お金の貸し借りにおいての事実を取り決めた、貸し手と借り手の間の契約書)に基づいて、
債務者に対し、「しっかりと、確約通り、お金を返してくれ」と、要求することは出来る、という点です。

ポイントは、債務者がそれに対して「ダメなんです。だって、キャッシュないもん」と開き直ってきたときです。

こういう時、ソーシャルレンディング業者としては、とにかく、時間を費やして、正規の裁判を起こし、裁判所から、「判決」というお墨付きをもらって、
債務者の財産を、判決によって差し押さえ、これを売却して、その代価から、貸し出し金を引き上げしなければなりません。つまりは、強制執行、という行動です。
差し押さえるべき、債務者の財産も、裁判所が善意で探してきてくれるわけではありません。
あくまでも、債権者が、真剣に、掘り起こしてこなければなりません。
かつ、かろうじて、差し押さえのターゲットとなり得るような、債務者のまぎれもない財産が見つかったとしても、
ラストに、「債権者平等の原則」が立ちふさがります。
担保がありありとセット・登記されていないのなら、自分だけ優先的に返済をして貰うことなど出来ないのです。
お金の借り手会社が、他の企業(銀行や、その他のソーシャルレンディング業者など)からもお金を借り入れているとしたら、
その他の債権者と、原則として債権額にマッチする按分した状態で、返済を受けないとならないのです。

それと引き換えに、物的担保のセットがされているソーシャルレンディング投資案件だと、どうなのか。

担保設定が実施されていないソーシャルレンディング投資案件のケースでは、
「いざ」というときの債権回収(貸付金の回収)が、どのくらい厳しいか、というのは、しっかりとご理解下さったものと思います。

それでは、打って変わって、
たとえば、貸付金にあたって、キチンとした物的担保がセッティング・登記されているケースでは、こういった部分の事情は、どういう風に変わってくるのでしょうか。

はじめに、敢えて裁判所から判決を取ることは必要ありません。
仮に、債務者の所有下にある不動産に関して、担保設定が行われているとしたら、
抵当権がキッチリと登記された不動産登記簿謄本を拠り所に、債権者(本例でいえば、ソーシャルレンディング業者)は、いち早く当該不動産を競売にかけることが(ないしは、任意売却することが)できます。
かつ、他の債権者と比較すると、最優先的に返済を受けることが出来ます。「債権者平等の原則」をフェアなやり方で解決できるのです。

こういったふうに、同一のソーシャルレンディング投資案件でも、
無担保・無保証ものと、「担保あり」の場合とでは、
万が一にも、債務者からの返済が遅延したときのメカニズム(具体的にいうと、ソーシャルレンディング業者による債権回収メカニズム)に、大きな相違点があることが分かります。

ソーシャルレンディング業者(=資金の貸し手)が、いざという場合でも、思いの外容易に債権を回収できるなら、
我々投資者も、もちろん、出資した資金について、ごく平和裏に、払戻しを受けることができる可能性が高まるのです。