ソーシャルレンディング投資の注意点まとめ

ソーシャルレンディング投資にはいくつか注意点があるので、まとめたいと思う。

ソーシャルレンディング投資の注意点1:元本保証はない

ソーシャルレンディング業者と投資家は、匿名組合契約を締結します。
この際、ソーシャルレンディング業者は、匿名組合の「営業者」となり、
ソーシャルレンディング投資家は、匿名組合の、「匿名組合員」となります。
匿名組合契約において、営業者は、組合員に対して、原則として、元本保証は行いません。
匿名組合の営業者が匿名組合員に対して負うのは、
あくまでも、「利益が出たときに、その利益を分配する義務」だけです。
すなわち、損失が出たときに、その損失を補てんする義務は負わないのです。

ソーシャルレンディング業者もまた、投資家に対して、元本保証を行うことはありません。
ソーシャルレンディング業者の組成するファンド(匿名組合)に対して、出資を行う以上、
投資家としては、元本棄損リスクを、十分に認識する必要があります。

ソーシャルレンディング投資の注意点2:途中解約は出来ない

匿名組合契約において、匿名組合員からの申し出による途中解約は、原則として不可、とされています。
ソーシャルレンディングファンドにおいて、出資した投資家が、ファンドの運用期間中に、途中解約・返金を希望したとしても、
これは、原則、受け入れられません。

さらに、借り手企業から匿名組合への元利金返済が遅延した場合、
営業者であるソーシャルレンディング事業者が、

  • 無事に債権を回収するか、
  • 債権放棄手続きを行うまで、

匿名組合の事業は終了しません。
すなわち、万が一、借り手企業から匿名組合への元利金返済が遅延した場合、
投資家のもとに資金が返ってくるのは、
元来の予定日よりも、さらに先になる可能性が高い、という事です。

ソーシャルレンディング投資の注意点3:ソーシャルレンディング業者が倒産したら。

匿名組合において、
匿名組合員が出資した資金は、原則として、営業者の財産であるものと見なされます。
これは、ソーシャルレンディングの場合も同様です。
投資家がソーシャルレンディングファンドに対し出資した資金は、
ファンドの営業者である、ソーシャルレンディング事業者の、預り金資産となります。

ソーシャルレンディング業者の多くは、出資された資金について、「分別管理をする」としており、
確かに、分別管理そのものは、為されているのでしょうが、「分別管理」には、限界があります。
たとえば、ソーシャルレンディング事業者が破産手続きに入った場合、
投資家が出資している資金についても、大きく棄損する可能性があります。

投資として魅力も少なくないソーシャルレンディング投資ではありますが、
上掲したように、注意点も、多数あるのです。

ソーシャルレンディングの投資申込方法

ソーシャルレンディング投資はどうやって始めるか

ソーシャルレンディング投資を始めるのは、いたって簡単です。
わたしも、最初のころは、
どうやって始めるのか、いろいろと調べたものですが、
いざ、始めてみると、
「なんだ、こんなに簡単だったのか」
と、拍子抜けしたのを覚えています。

※もちろん、「投資するのが簡単」なだけであって、
「きちんと投資収益を得ていくこと」は、決して簡単ではありません。
ソーシャルレンディング業界では今、延滞も起きていますし、元本棄損が発生したファンドもあります。
くれぐれも、ご注意ください。

まずは、ソーシャルレンディング業者を選びます。

日本国内には、私が知る限り、20社以上のソーシャルレンディング業者が存在します。
ソーシャルレンディング投資をスタートするにあたっては、
まずは、その中から、気に入ったソーシャルレンディング業者を、投資家自ら、選ばなくてはなりません。

この「ソーシャルレンディング業者選び」のプロセスは、
ソーシャルレンディング投資を平和に行えるかどうかの、分水嶺。
ノリや勢い、ちょっとしたキャンペーン程度で、ソーシャルレンディング業者を選びんでしまうのではなく、
慎重に、ソーシャルレンディング業者を選ぶようにしましょうね。

続いて、ソーシャルレンディング業者に、投資口座を開設します。

ソーシャルレンディング業者を選んだら、今度は、そのソーシャルレンディング業者に、投資口座を開設します。
この手続き自体は、ネットを通じて、至極簡単に完結します。

まずはネットから投資口座開設申し込みをして、
ソーシャルレンディング業者側で審査が通れば、本人確認用の手紙(ハガキのことが多いです)が、自宅まで届きます。
これを受け取って、必要に応じて認証コード(ハガキに記載されてるケースがあります)を入力すれば、
投資口座の開設は完了です。

投資口座を開設したソーシャルレンディング業者の中で、気に入ったファンドを選びます。

投資口座の開設が済んだら、
そのソーシャルレンディング業者が提供しているファンドの中から、
「出資したい」と思えるファンドを選びます。
このプロセスも、
そのソーシャルレンディング業者選びに次いで、とても大切なプロセスです。

ポイントは、利回りのみに気をとられないことと、
担保設定については、よくよく読み込むこと。

まず、高利回りに過ぎるファンドは、保全設定がいまひとつなケースが多いので、厳重注意です。
また、担保設定についても、
「不動産担保つき!」
と書いてあるだけ安心、では、甘すぎます。
担保設定の内容が、本当に、保全効力をもたらしうるものなのか、しっかりと判断する必要があります。

そのファンドに、出資申込をします。

ファンド選びが済んでしまえば、出資申込そのものは、これまた、簡単な手続きです。ネットで完結します。
しいていえば、
ソーシャルレンディング業者のうち、特に人気の高いソーシャルレンディング業者の場合は、
「クリック合戦」というのが勃発する傾向がありますから、厳重注意が必要です。
出資したい、と思っていたファンドでも、資金枠がいっぱいになってしまえば、出資出来ない、というケースが、多々、発生し得ます。

出資金の振り込みタイミングについて

ソーシャルレンディング業者へと出資金を振り込むタイミングは、
そのソーシャルレンディング業者が、デポジット口座制度を採用しているか、どうかで、大きく異なります。
デポジット口座採用業者の場合、出資申込の前に、投資資金をデポジット(事前預けいれ)しておく必要があります。
逆に、デポジット口座非採用業者の場合は、出資金の振り込みは、出資申込のあと、となります。

ソーシャルレンディング大学のSNS等

わたしたちソーシャルレンディング大学では、snsを通した情報発信にも、力を入れています。
今はやはり、SNS、大事な時代ですからね…。
あまり詳しくないのですが、
とりあえず、下記のSNSにて登録をしていますから、
興味のある方は、是非、フォローしてみてくださいね^^

ソーシャルレンディング大学の「タンブラー」

ソーシャルレンディング大学のタンブラーのアカウントには、
下記のURLから、アクセスしていただくことが可能です。
サイトの更新通知がほとんどになると思いますが、
是非、ご覧になってみてください^^

https://sociallending-univ.tumblr.com/

ソーシャルレンディング大学のVALU

一時期からとても人気になったサイトですよね^^
ここには昔から興味がありましたので、
いい機会だな、ということで、アカウントを作ってみました。
フォローなどなさっていただけると、うれしいです^^

https://valu.is/sociallending-univ

ソーシャルレンディング大学の755

あのホリエモンこと堀江貴文さんが開発に関わっていたことで話題となった、755。
ソーシャルレンディング大学も、アカウント作成をさせてもらいました^^
やはり、本ブログの更新通知が主になると思うのですが、
もしも機会があれば、フォローしてみてやってください^^

https://7gogo.jp/-mY1dpCvZUTh

ソーシャルレンディング大学の、newspicksアカウント

ニュースキュレーションサイトです。
ソーシャルレンディング大学として、アカウントを開設してみました。
是非、チェックしてみてください^^

https://newspicks.com/user/4162378

ソーシャルレンディングに役立つサイトまとめ

ソーシャルレンディング投資家が集う「レンダータウン」

ソーシャルレンディング投資を検討する以上、
先輩ソーシャルレンディング投資家の「生の声」を聴く機会は、
何にも代えがたい、貴重なものとなります。

その点、ソーシャルレンディング投資家向けの専門掲示板「レンダータウン」は、
これからソーシャルレンディング投資を始めよう、と考えている人にとっては、
とてもありがたいサイトといえるでしょう。

ソーシャルレンディング事業者別にページが分かれていて、
それぞれのソーシャルレンディン事業者に投資をしている、現役投資家が、
活発に、投稿・意見交換を行っています。
是非、覗いてみてください。

レンダータウン

ソーシャルレンディング専門メディア「ソーシャルレンディング・ラボ」

インターネット上に情報メディアは星の数ほどあれども、
ソーシャルレンディング専門のWEBメディアは、意外と少ないのが現状です。
ソーシャルレンディング・ラボは、ソーシャルレンディング専門情報サイトとして、
ソーシャルレンディング関連情報のみを、専門的に取り扱っておられます。
業界最新情報も多数掲載されているので、お時間あるときにでも、覗いてみてください。

ソーシャルレンディング・ラボ(公式サイト)

ソーシャルレンディング業界の自主規制機関「第二種金融商品取引業協会」

ソーシャルレンディング事業者の多くは、第二種金融商品取引業の登録事業者となっています。
そんな、第二種金融商品取引業の登録事業者の、自主規制機関となっているのが、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会です。

国内のソーシャルレンディング事業者の多くが、正会員として登録しており、
業界の統計情報等も掲載されています。
是非、チェックしてみましょう。

一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

ソーシャルレンディング専門5chスレッド

5ch(旧2ch)にも、ソーシャルレンディング関連スレッドがあるの、ご存知ですか。
中でも有名なのが「[高金利]ソーシャルレンディング[投資型クラウドファンディング] 」スレッドです。
既に80スレッド以上に達しています。

まとめ

今回は、ソーシャルレンディング投資を始めるにあたり、チェックしておきたいサイト集をまとめました。
実際にソーシャルレンディング投資をスタートしてしまう前に、
情報収集のためにも、是非、覗いてみることをおすすめします。
特に、レンダータウンにおいては、ソーシャルレンディング投資を通して、実際に、延滞や貸し倒れに巻き込まれた、という経験を持つ先輩投資家も、多数、投稿為さっています。
業界のリアルを知るためにも、是非、チェックしてみるといいと思います。

ソーシャルレンディングで損失を防ぐには

ソーシャルレンディングにおける「損失」とは

ソーシャルレンディング投資における「損失」の定義については、
各投資家、いろいろな考え方があるものと思いますが、
私が思うに、ソーシャルレンディング投資における「損失」とは、すなわち、元本割れのことです。
本記事においては、
ソーシャルレンディング投資の損失=投資した元本が、償還時に、元本割れしてしまっているケース、
と定義させて頂きます。

逆に言えば、
多少の延滞については、敢えて許容する、という戦略をとる場合もあります。
多少の延滞・遅延があったとしても、最終的な償還元本が、元本割れしていないことを、最優先する、という考え方で、
本記事には臨ませて頂きます。

損失予防策1:不適切なソーシャルレンディング事業者に口座を開設しない。

身も蓋も無いように思われるかもしれませんが、
これまでソーシャルレンディング投資をやってきた、実体験から考えるに、
ソーシャルレンディング投資で損失の発生を防ぐために、一番肝心なのは、
この点です。
実際に、様々なソーシャルレンディング事業者の、多数のファンドの実績を、見てもらえれば、分かると思いますが、
ソーシャルレンディング投資における損失、すなわち、元本割れは、
実際、一部のソーシャルレンディング事業者に集中しています。

最初の「ソーシャルレンディング事業者選び」のところを、とにかく慎重に行うこと。
ソーシャルレンディング投資における損失を防ぐためには、
実はこの点が、極めて重要なポイントであることを、忘れないようにしてください。

損失予防策2:リターン追及が過ぎるファンドについては、出資を見送る。

基本的に、担保がしっかりとしたファンドであれば、
多少の延滞があったとしても、
最終的には、元本の棄損を防げる可能性が高くなります。
借り手企業からの元利金返済が遅延したとしても、
ソーシャルレンディング事業者が、担保権を行使して、
債権回収を図ることが、期待できるためです。

上掲のような、ファンドの安全性能を、「保全効能」と言い換えることも出来ます。

そして、えてして、
利回りばかりを追求する、高利回りファンドの場合、
この保全効能が著しく低い傾向が、よく見られます。

期待利回りが高いファンド=危険性の高いファンド、とは、一概には、言いきれませんが、
期待利回りが高いファンドの場合、特に、保全効能の大小について、しっかりとした検討を行う必要があることは、
言うまでもありません。

損失予防策3:不動産担保付の場合でも、疑いの目を。

保全効能が低いファンドは要注意、と書きましたが、
「不動産担保付だから、保全効能が高い」とも、決して、言いきれませんので、注意が必要です。
掛け目が高すぎるファンドの場合や、
そもそもの担保評価が甘すぎる、というファンドの場合、
どれだけ不動産担保がついていたとしても、
結局、債権回収時にさしたる力を発揮することが出来ず、
結局、損失発生(=元本棄損)という可能性が、十分にあるため、です。

損失予防策4:国外案件の場合、為替ヘッジ付のものにする。

海外の案件に投資するファンドの場合、
為替ヘッジがついているファンドと、ついていないファンドがあります。
だいたい、為替ヘッジがついていないファンドのほうが、期待利回りが高い傾向にあります。
ただし、私の個人的な考えとしては、
ソーシャルレンディング投資において、とにかく、損失(=元本棄損)を避けたいのであれば、
為替ヘッジ「あり」の物にしておく方が、無難だと思います。
為替ヘッジ無の場合、
たとえ、現地通貨ベースでの運行がうまくいっていたとしても、
日本円に換算して最終的に分配を行うとき、
為替の値動きの関係で、最終損益がマイナス(=元本割れ)となってしまう可能性が、否定できないから、です。

ソーシャルレンディングとマネーフォワードの連携

マネーフォワードと連携すると、ソーシャルレンディング投資の管理は楽になる。

複数のソーシャルレンディング事業者に投資口座を開設し、実際に投資を始めてみると、気づくのですが、
ソーシャルレンディング投資の全体的な管理って、意外と、大変です。
どこのソーシャルレンディング事業者に、どの程度の資金を投資しているか、
ぱっと確認できるようにしておかないと、
気づかない間に、一部のソーシャルレンディング事業者に投資資金が集中してしまう、等という事もあり得ます。

マネーフォワードと連携できるソーシャルレンディング事業者一覧は、簡単に確認できる。

マネーフォワードと連携しているソーシャルレンディング事業者の情報については、
マネーフォワード側から、簡単に確認できます。
詳しくは、マネーフォワードのホームページをご覧下さい。

自動連係が使えなくても、手動連携を使えばどうにかなる。

マネーフォワードの場合、いろいろなソーシャルレンディング事業者を連携管理できるといえども、
なにも、国内の全てのソーシャルレンディング事業者について、連携管理出来る、というわけでは、ありません。
ただし、マネーフォワードの場合、万が一、自動連携が出来ない場合でも、
手動連携、という手があります。
これを使えば、自動連携の対象外となってるソーシャルレンディング事業者についても、
手動にて、マネーフォワードの一元管理へと、取り込むことができるわけです。

別途エクセル等による管理も有効

出資してるファンドの利回りの平均や、
ファンドの運用期間の平均、
ソーシャルレンディング事業者ごとの、出資中のファンド数などを、自己管理したい場合は、
簡単なエクセルファイルなどを使用することをおすすめします。
別に凝ったプログラムを搭載しなくても、シンプルに記録しておけば、
定期的に振り返るときに、重要な参考データとなります。

特に気を付けて定期点検したいのが、下記の2点。

  1. 一部のソーシャルレンディング事業者に、投資資金が集中していないか。
    もちろん、意図的に集中しているのなら、問題はありません。
    しかし、自分では意図していないのに、つい、いろいろなファンドに出資しているうちに、
    一部のソーシャルレンディング事業者に、資金が集中してしまっている場合、
    自分の意図したバランスに復帰できるように、適宜修正しましょう。
  2. 期待利回り平均は、自分の意図したリスクとなってるか。
    基本的に、利回りと、リスクは、比例する傾向があります。
    自分のポートフォリオの平均利回りが、あまりにも高くなっている場合、
    並行して、リスクも高まってしまっている可能性があります。
    注意しましょう。

1万円から出資できるソーシャルレンディング事業者

ソーシャルレンディング事業者の多くが、1万円からの出資を受け付けている。

少額から投資スタートできることも、
ソーシャルレンディングならではの魅力の一つ。
ソーシャルレンディング事業者の中には、1万円からの出資を受け付けているところが、たくさんあります。
本記事では、そのうちのいくつかを、ご紹介してまいりましょう。

クラウドクレジット

クラウドクレジットは、伊藤忠商事などが出資していることでも知られる、国際分散型のソーシャルレンディング事業者です。
そんなクラウドクレジットのファンドは、原則として、一律、1万円からの出資が可能です。

オーナーズブック

東証マザーズ上場企業であるロードスターキャピタル株式会社が運営するソーシャルレンディングサービスである、オーナーズブックも、
基本的に、全てのファンドが、1万円からの出資を受け付けています。
もっとも、オーナーズブックの場合、
いざ、ファンドが、資金を募集開始するときは、ホームページが大変込み合います。
いくら1万円から投資ができる、といっても、その投資手続きは、決して「気軽」ではありません(笑)。

SBIソーシャルレンディング

SBIソーシャルレンディングの常時募集型ファンド、「不動産担保ローン事業者ファンド」も、
上掲のクラウドクレジットのファンドや、オーナーズブックのファンドと同じように、
1万円からの出資を受け付けています。
もっとも、SBIソーシャルレンディングの場合、
常時募集型ファンド以外にも、
臨時のファンド組成が為されるケースがあります。
そうして組成される、臨時募集(オーダーメード)型のファンドの場合は、
1万円からの出資は受け付けていないケースもありますので、十分に注意しましょう。

その他のソーシャルレンディング事業者の場合は…

その他にも、日本国内には、たくさんのソーシャルレンディング事業者があります。
基本的に、どのソーシャルレンディング事業者においても、
最低投資額は、1万円、というケースが、決して少なくありません。
中には、数万円~10万円程度の最低投資額を設定しているソーシャルレンディング事業者も、確かに、存在しますが、少数派です。

1ファンドあたり、高くても数万円程度からの少額・分散投資ができる、という点は、ソーシャルレンディング投資の、最大のデメリットのひとつです。
是非、そのメリットを生かして、ファンドの適切な分散を心掛けるようにしたいものです。
※もっとも、分散が目的化してしまい、余計なファンドにも出資してしまうようなことは、避けなければ、なりませんが…。

ソーシャルレンディングと確定申告

ソーシャルレンディング投資の収益は、雑所得

ソーシャルレンディング事業者から受け取る分配金は、
所得の「種類」でいうと、「雑所得」に該当します。
「配当所得」や「利子所得」には該当しませんので、
注意が必要です。

課税制度は、総合課税の対象

課税制度としては、株取引などの収益のように「申告分離課税」を用いることは出来ず、
あくまで「総合課税」の対象となります。
給与などの所得と総合で課税される関係で、
元来所得の大きい人は、累進税率の影響を受ける可能性があります。
逆に、所得の低い人の場合、
ソーシャルレンディング事業者から収益を確定申告することによって、
ソーシャルレンディング事業者があらかじめ控除してくれた源泉所得税の一部が、
還付されてくる場合もあります。

確定申告義務は、雑所得の金額などによる。

年間の雑所得の金額が20万円を超えると、一律、確定申告義務が発生することとなります。
また、上記条件に合致しなくても、
給与所得の金額などによって、確定申告義務が発生する場合もあります。

損益通算は、雑所得内でのみ、可能。

上掲も致しました通り、ソーシャルレンディング投資の収益金は、所得の区分でいうと、「雑所得」に該当します。
このため、損益通算については、あくまでも、「雑所得内」にて認められています。
ただし、同じ雑所得内の所得でも、
FX投資による損益とは、損益の通算が出来ません。
昨今有名な投資手法の中では、仮想通貨トレードの損益との間では、損益通算が可能ですので、覚えておきましょう。

確定申告の結果、追加納税が必要となるケースも。

上掲も致しました通り、課税方式としては、申告分離課税の適用は出来ず、一律、総合課税の対象となります。
この点は、給与所得など、既存の所得が低い方にとっては、メリットとなり得ます。
ソーシャルレンディング事業者が控除済みの源泉所得税の税率は、約20パーセントですが、
給与所得などを勘案した所得税率がこれより低い人の場合は、
ソーシャルレンディング事業者が控除済みの源泉所得税の一部が、確定申告後に、還付されてくるケースもあるからです。

逆に、所得の大きい人にとっては、総合課税は、大きなデメリットとなります。
例えば、累進税率の影響で、所得税率が50%前後に達している人の場合、
ソーシャルレンディング投資の分配金収益(利益)に対しても、同様の税率が課せられることとなります。
例えば、期待年利10パーセントのファンドが、1年後、無事に満期償還したとしても、
5パーセントは税金で取られてしまう(※その他のファンドや雑所得による損失がない場合)、ということです。

ソーシャルレンディングの失敗の防ぎ方

ソーシャルレンディング投資における「失敗」とは。

いろいろな言葉の定義があり得るでしょうが、
本記事においては、「ソーシャルレンディング投資の失敗」=「出資したファンドが延滞したり、元本棄損したりすること」と定義したいと思います。
ソーシャルレンディング投資をするにあたって、
投資家が一番嫌がるのが、上記のケースだと思うからです。

怪しいソーシャルレンディング事業者には口座開設しない。

まず、これが一番大切なポイントだと思います。
ソーシャルレンディング事業者を選ぶ中で、少しでも、
「怪しいな」
「うさんくさいな」
と思うソーシャルレンディング事業者については、そもそも、投資口座の開設を見送ったほうが賢明です。

一旦投資口座の開設をしてしまうと、なんとなく、
「せっかく投資口座の開設をしたんだし、せっかくだから、何か1つのファンドに、出資しておくかな」
と考えてしまうことがよくあり、
その結果(※特に、そのソーシャルレンディング事業者が、本当に危ないソーシャルレンディング事業者だった場合)、
ファンドの延滞・貸し倒れに巻き込まれてしまう可能性も、否定できないからです。

原則として、無担保・無保証型ファンドは避ける。

ファンドへの出資是非の検討の際、ファンド概要はよく読み込むことになりますが、
このとき、担保設定については、厳重な注意を払って読み込むことにしましょう。
そして、原理原則として、
無担保・無保証型ファンドについては、出資を見送ったほうが、無難と言えます。
いざ、借り手事業者からソーシャルレンディング事業者への元利金返済が遅延し、
ソーシャルレンディング事業者が債権回収に乗り出す時、
無担保・無保証型ファンドの場合は、かなりの苦戦が予想されるケースがあるため、です。

不動産担保付きでも、担保内容によっては、投資しない。

無担保・無保証型ファンドではなく、不動産担保付きのソーシャルレンディングファンドの場合でも、
「不動産担保付きだから安心」
とは、決して言えません。
むしろ、不動産担保つきのソーシャルレンディングファンドの場合、
無担保・無保証型ファンドのファンドと比べて、利回りが低めに設定されているケースがほとんとです。
すなわち、投資家の手取りメリットは、不動産担保付ファンドのほうが、小さめに設定されているのです。
利回りを犠牲にしてまで、安全性を取りに行く、というのであれば、
その不動産担保つきソーシャルレンディングファンドが、無担保・無保証型ファンドと比べて、どれだけ本当に安心なのか、注意を払って確認する必要があるのです。
この点の詳細については、下記の別記事にて紹介していますから、ご覧になってみてください。

ソーシャルレンディングと不動産担保

ソーシャルレンディングと税金のお話

ソーシャルレンディング収益は、所得の分類では、雑所得に該当。

ひとことに「所得」といっても、いろいろな種類があります。
給与所得とか、山林所得、とか、改めて調べてみると、
実にいろいろな「所得の種類」があることに驚かされます。

そうした中、ソーシャルレンディング投資からの収益、具体的には、
ファンドから受け取る「分配金」収益は、
所得の種類としては、「雑所得」に該当します。
まずは此の点を、しっかりと覚えておく必要があります。

課税方式としては、総合課税の対象

ソーシャルレンディング投資の収益金については、申告分離課税は認められていません。
あくまでも、総合課税の一択、となります。
このため、
既に、給与所得等で、ある程度の規模の所得を得ている人の場合、
総合課税が為された結果、累進税率の関係などで、
かなり高い税率が、ソーシャルレンディング投資の収益金(分配金)に対しても、課せられるケースがあります。
この点、申告分離課税の対象となっている、FX投資などと比較すると、
特に高所得者にとっては、いささか、デメリットの大きい税制構成となっています。

損益通算は、雑所得内のみ。※FX等は不可。

ソーシャルレンディング投資の収益金は、雑所得の扱いとなっており、損益の通算は、あくまでも、雑所得カテゴリー内でのみ、認められています。
ただし、投資家の方々が多く行っている、FX投資については、
ソーシャルレンディング投資収益金との損益通算が出来ない、とされています。

ソーシャルレンディング投資収益金との損益通算で、比較的、相性がいいのは、仮想通貨取引です。
ソーシャルレンディング投資で損が発生した場合、仮想通貨取引で発生した益金を、相殺することができます。
逆に、仮想通貨トレードで、損金が発生した場合、ソーシャルレンディング投資の分配金利益を、打ち消すことが可能です。

ソーシャルレンディング投資は、税務上は、優遇された投資手法ではない。

上掲のように俯瞰してみると、よくわかりますが、
ソーシャルレンディング投資の場合、他の投資手法と比較すると、特に税制面において、
あまり、優遇されているとは、言い難い状況にあります。
上場企業の株式の売買や、FX取引等、申告分離課税の対象とされている投資の場合、高所得者の方でも、取り組みやすい、というメリットがあります。
また、iDecoのような投資手法の場合、掛け金が所得控除となるなど、極めて税務メリットの大きい構成が確保されています。
そうした「その他の投資手法」と比べると、
ソーシャルレンディング投資の場合、まだまだ、税制による応援は、受けることが出来ていない状態であることが、よくわかります。